自動車保険の加入を義務化している自治体が全国で増えてきています。理由としては、自転車は日常生活で利用することが多く、また大きな事故につながることがあることから、被害者救済の目的から義務化しています。
自転車保険として「TSマーク」を自転車販売店で勧められた方もいらっしゃると思いますが、「TSマーク」の保険について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
TSマークとは
自転車安全整備店で、自転車安全整備士によって自転車の点検整備(有料)を受けると、自転車にTSマークを貼ってもらうことができ、保険が付帯されます。
保険は「傷害保険」、「賠償責任保険」、「被害者見舞金」(赤色マークのみ)が付いています(付帯保険)。
自転車安全整備店から「TSマーク付帯保険加入書(お客様用)」が渡され、それが保険証券の代わりとなります。
引受保険会社 | 三井住友海上保険(株) |
保険期間 | 1年間 |
TSマークには、青色マーク(第一種)と赤色マーク(第二種)があり、賠償内容が違ってきます。
補償内容 | 青色マーク | 赤色マーク |
---|---|---|
傷害保険 死亡若しくは 重度後遺障害(1~4級) | 30万円 | 100万円 |
入院(15日以上) | 1万円 | 10万円 |
賠償責任保険 死亡若しくは 重度後遺障害(1~4級) | 1,000万円 | 1億円 |
被害者見舞金 通院(15日以上) | なし | 10万円 |
TSマークをお勧めしない理由
TSマークをお勧めしない理由は2つあります。
①補償が不十分
②継続漏れリスクがある
①補償が不十分
TSマークの青色、赤色ともに補償が中途半端です。
〇賠償責任保険の金額が少ない
自転車と歩行者の接触事故では、これまで1億円近い賠償請求の判例もあります。赤色マークの1,000万円でも補償は十分といえないでしょう。
また、補償が死亡もしくは後遺障害1~4級と限定されていることから、被害者の方が通院・入院にかかった費用などを請求された場合、保険から支払われないということになります。
〇傷害保険の金額も少なく、入院を15日以上しないと補償がない
傷害保険は、相手ではなく、自分が死亡・負傷した場合の補償です。本当に自分にとって必要な補償内容になっているのか検討が必要です。
傷害保険も死亡もしくは後遺障害1~4級の場合、入院も15日以上の場合に保険が支払われるため、補償が限定的である印象です。せっかく保険に加入していても「出ないの?」となってしまわないように、自分や家族に必要な補償を考えましょう。
②継続もれの可能性が高い
TSマークは①自転車の点検整備を受けること+②保険がセットになっています。つまり、自転車の点検を1年ごとに受けないと、保険が切れてしまいます。自転車は悪いところがないと、修理や点検は足が遠くなりやすいため、気が付けば保険が切れていた、ということになりかねません。自転車保険に加入する場合は単独で加入することをお勧めします。保険会社によっては自動更新になっており、継続漏れが防げる商品もあります。
火災保険は加入している家庭が多いので、火災保険とセットにしておくと継続漏れがなくて良いと思うわ。
まとめ
TSマークで自転車保険に加入するということは、本来の保険の目的からすると不十分である、と考えます。
こちらの記事で自転車保険の加入方法を確認ください。